2006年08月22日

物理数学の直感的方法 第2版

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物理数学の直感的方法 第2版
 この本にお世話になったのは初版(1987年)の頃。当時はこの手の数学のエッセンス部分を可視化して直感的な理解を助けることに重点を置いた書籍は皆無だったので実に新鮮でした。(試験間際でさっぱり理解ができなかった関数論の試験で、この本の留数定理あたりがモロに出て突破できた思い出があります)

可視化の価値:
数年たって大学に残った友人を訪ねた時に、Mac?のmathematica上で球面調和関数のアニメーション(球体の振動パタンを表す)を見せてもらったとき。ああ、この映像を初めに見ていれば、理解するのに余計な苦労はしなかったのに。これを見ているアメリカの小学生にかなわないわけだなあなどと思ったりしました。
そもそも人間の脳は言語処理以前にイメージ処理を行っているという説があり(マインドマップ等)、モノクロの数式ばかり並べる本というものはもっとも脳に負担を強いると考えてよいと思います。さまざまな分野で可視化やカラー化の試みが必要そうです。

第2版(2000年)
 追加されたのは、3体問題と複雑系というタイトルで、この章だけ毛色が違い、迫りくる学科試験対策ではなく、デカルト以来の分析手法の限界や、社会思想のさまざまな分野で見え隠れする「ハーモニックコスモス信仰」と名付けられた近代文明の大きな誤解を浮かび上がらせる重大な内容になっています。
 
 その際使われる「作用マトリクス」という手法の紹介ですが、線形代数の知識と無限の濃度に関する知識から、3体問題が解けないとはどういうことかを手始めに、話は壮大な展開を見せてゆきます。
(正直これだけでも私の頭では?でしまいますが....... 思うことを書いてみます
 この項は、一般的な行列のN乗計算でNを無限大にもって行ったときに、個別の要素の演算回数が可算無限に収まるもの=対角化可能なものと、非可算無限になるものがあるということがどうやらツボで、実は解析学で言う関数とは前者のみしか扱っていないという理解でいいのかなあと今は考えています。多体問題になったとたん、その解の関数?は前者の集合の中には明らかに存在しない......またカントールが見え隠れしてるし。...わからないのでここで止めておきます。)


20080530 追記 ----
 この本の「作用マトリクス」について気づいた事をPDFで追記しておきます。

内容は
 ○作用マトリクスは単純な式で指数行列に置き換えることができて、既存の微分方程式の解法やリー代数との対応づけができる。
 ○作用マトリクスが「対角化可能=微分方程式が解ける」という「対角化解法」という主張は誤りで実際は上記の対応で全て解けることがわかる。

詳細PDFはこちら

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一方、社会に眼を向けた場合
二極化の数学的基礎?
□何故、個々が自由に利潤を追求すると世界は「二極化」し、決して最大多数の幸福という状態にはなり得ないのか。
□専門化を進めてゆくと、何故世界を理解することができなくなるのか。
□遺伝子配列の解読だけでは、何故「解読」されたことにはならないのか。
□「誰にも迷惑をかけていないからイイでしょ」が何故迷惑になりうるのか。

などなど。文系の人こそ読んでおいたほうが良い内容ではないかと思います。

この分野は、なにか壮大なものが見え隠れしている、まだまだ人跡未踏の荒地という感じです。

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表紙がなんだか錬金術師の工房みたいな印象でしたが。表紙の古い数字やら演算記号のクイズ(カバー裏折り返し参照)の答えを調べるとちょっとニンマリできます。ダ・ビンチコード気分?

そして遠景に微かに見えるお城(モンサンミッシェル)が実は6年後に出版される「ステルスデザインの方法」の予告になっています。そこまで考えていたんですね。
リー代数という数学の世界と作用マトリックスはつながっているのではないか?
そんな噂を昨日聞いたのでとりあえずメモ

「ガロアの夢」

20071216 追記
思いつき)作用マトリクス−単位行列=LIE代数
の関係でいいのではないのかな。(なにか係数が、かかるかもしれないが)

20071218 訂正
(作用マトリクス−単位行列)/凵´IE代数
 凾ヘ微小量
虚数単位がかかるかもしれないが、こんな線ではないかな

20080530 作用マトリクス、対角化解法について気がついた点についてのPDFを追加
posted by ketaru at 14:25| Comment(6) | TrackBack(0) | ブックレビュー
この記事へのコメント
もう長く連絡とってないなー、と思いながら
何年も経ってしもーた(笑)。
ふと「KETARU」のキーワードを検索してみたら、
ヒットしたよ(爆笑)。

懐かしいなぁー。

元気そうやねえ。
よかった、よかった。

ところで、私はだれでしょう?

ヒント
・最初に出会ったのは、1986年のとある地下室やねぇ(笑)

また来るよ。





Posted by だーれだ? at 2006年08月27日 13:46
これはこれは、文面から察するに
最後に会った時は、patent関連だった人ですね
無事、ですね。

しかし、よく見つけたねえ。
というか連絡くださいね。
Posted by KETARU at 2006年08月29日 21:29
分かったんだ(笑)。

最近はblogが流行ってるんで、
例のHNで何かやってるんじゃないかと思ったんだよね。
そんなHNを使うやつぁー他にはいないしね。

だから、すぐ見つかったよ。

そう考えると、KETARUっていいHNだよね。
(分かるやつにはすぐ分かる)

今晩か、明日にでも、メールさせてもらうよ。

それにしても、「縁」ってやつやねぇ...
Posted by 相変わらずpaten関連のヒト at 2006年08月29日 22:57
 それはいいタイミングでした。なにせ10数年ぶりに理数系ネタを書くにあたって、このタイトルで書いてみようと思ったので。

しかもまだ、ほとんどアクセスされないはずのページにコメントをつけるとは...。感がいいね。
流石は探偵事務所だ(違)

大阪でアジトをかまえて順調に頑張ってる様で
遅くなったけど、「おめでとうございます。」
今後ともよろしく。

メールはプロフィール欄からどうぞ。

Posted by KETARU at 2006年08月30日 07:29
さっきメールしたら。

blog記事、面白いから、
頑張っていろいろ書いてよ。
Posted by 探偵は副業なんだ at 2006年08月30日 10:38
Oui.
Posted by けたる at 2006年08月30日 20:01
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