2010年01月26日

「5次方程式は解けない」とは

 小学生にガロアの理論を説明するとしたら、どう言えばいいだろうか?
なんて数年前に友人と話をしていました
 小学生には厳しいかもしれませんが、「素因数分解くらいなら知ってるよ」程度の予備知識で読める内容で説明を試みてみましょう。


 ーーーー トライ1 あらすじ。群だけ目線 ーーーーー

 素因数分解って知っているよね。数があったら、それはいくつかの素数の掛け算で表せるって話。

  6=2×3 

 とか

 24=2×2×2×3

 とかだね。

 「群」の話も似ています。

 方程式には表からは直接見えないのだけれども、方程式に対応した「群」というものが考えられてね
それが数と同じように「分解」ができるんだよね

 もとの群を分解して、いくつかに分かれた「群」それぞれが「素数位数」(群が素数個の元の集合でできていること)になっていることが
なんと「解の公式がある(=四則演算とべき根の有限回の操作で解ける)」ってことと実は同じ。というのが一つのキモになっています。
 そして、一般の2次、3次、4次方程式までは必ずこの条件を満たすので解の公式があるんだね。

 ここで「数」の場合の「素数」にあたるものが、「群」の場合は「単純群」といいます。(「素数位数の群」は必ず「単純群」です。)
 

 さて、群を「分解」する時に「素数位数の群が出てくること」が、方程式を解く際の「べき根を使うこと」に対応していました。
ところが「群」の場合は「数」と違って単純群は「素数位数」とは限りません。
 一般的に5次方程式が解けないと云われる理由は、対応する「群」の分解をしようとする時に初めて「素数位数じゃない単純群」というのが現れるからです。
 (これがガロアの手紙にある「5・4・3」

  このことは方程式の世界に戻ると、解くための手段が「べき根だけでは足りない」ということになります。
 だから「解の公式(=四則演算とべき根の有限回の操作で解ける)」は無い。という話になっているのでした。

  解くための手段をどこまで許すか?で「べき根」だけだと4次方程式までが限界だってことです。
  (もしべき根も許さなかったとしたら、2次方程式ですら解の公式は無いってことになりますね。)
 

-----------

 さて上の話では素因数分解に似た「分解」という言葉を使ってお茶を濁して見ましたが、こういう言葉は現代の群論の教科書には出てきません。
ガロアの手紙には「固有分解」という言葉で示されていますが、これも現代の群論では使われていません。
この部分の現代的な記述には、
 偶置換、奇置換、群、対称群、交代群、アーベル(可換)群、巡回群、部分群、右剰余類、左剰余類、正規部分群、単純群、剰余群(=商群)、凖同型定理、組成列、可解、ガロア群などなど… の用語を覚える必要があります。

  予備知識なしで群論の教科書に突入して「なんでこんな事やってるんだ?やーめた。」と投げだしてしまう数学向きではない性格の人(オレとか)は
 上のお話の元ネタ、ガロアの手紙(オーギュスト・シュヴァリエへの手紙)の前の方の1/3を読んで現代の教科書と対比させるのがオススメです。


                           つづく


「おい!その解く手段とやらを広げて5次方程式の解の公式とやらを見せてくれよ。」
「不勉強なので…そこはまだちょっと…(楕円モジュラー?だか超幾何?だか…ムニャムニャ)」
「そうか、だがガロアの言うところの ”5・4・3の群”で不変になるような変わった関数が絡んでるらしいまでは読めるな…。」


posted by ketaru at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 数学
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