2007年12月11日

1+2+3+4+...=-1/12

zeta_minus.gif

 人騒がせな数式ですね、最初見たときはビビリました。
全部無限大に飛ぶのが常識ではなかったのか?
 なにかのいたずらかと思ったら、

 リーマンゼータ関数の負の値として確定しているとか、
ラマヌジャンは渡英前に自力で導いていたとか(ラマヌジャン書簡集に記述あり)、1/120がカシミール効果という物理実験の計算式に使われて、現実に確認される値になるとか、いろいろと深い話しが背後にあるようです。

 こういう式を書かれると、何だコレ?と気になってしまい、まんまと引っかかってしまうのでした。

                  つづく
posted by ketaru at 22:34| Comment(3) | TrackBack(0) | 数学

2007年12月05日

THE TROUBLE WITH PHYSICS Lee Smolin

TROUBLE PHYSICS.jpg


THE TROUBLE WITH PHYSICS
Lee Smolin

ウィッテンが何を考えてるかじゃ無い、君の意見が聞きたいんだ−(p275 超訳)

 これは、いい本ですね。

 表紙は「ひもが絡まって、歩けないぞ」でしょうか。
著者はループ量子重力理論の人で、以前「量子宇宙への3つの道 」(2001年)という本では割と好意的に超弦理論の事について書いていたのですが、今回は超弦理論や研究機関にたいする強い批判と未来への提言をしています。
 たぶんもう黙っていられないような何か、があるのでしょうね。

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Superstring Theory

 超弦理論、スーパーストリング理論、超ひも理論等々、いろいろな日本語で呼ばれていますが

初めて知ったのは大昔に読んだ(確かブルーバックスの「アインシュタインを超える」の初版)、
「長年失敗してきた、一般相対論と量子論の統合ですが、超弦理論は自然に重力子(グラビトン)を含んでいるので量子重力まで含めた統一理論が生み出せる唯一の候補なのです。相互作用の計算にも無限大の困難は現れません。ゴールはもうすぐだ!」
と主張している本でした、
へーこれは凄いことが起るぞー。みたいな認識でした...が。

 現在は、当時の楽観的な予測とはかなり違う様相になっていて
「数少ないひものパラメーターから全ての観測された素粒子を導きだせる」
はずだったものは未だ叶わず、実証や反証可能な予測を何一つ導けないまま現在まで来てしまっているといいます。
 どうもそれでも気にしてないみたいですが。

 また、唯一の超弦理論というものを構築できず、それぞれがM理論というもっと大きな枠組みの解の一つである。
という話しになっていて、探求はひろがる一方のようです、

 この状況を、これこそ現実の宇宙のありうるべき可能性の集合だ、ととらえて、宇宙の理解が深まっているのだと解釈する学者もいれば、それはごまかしではないのか?過去20年なにも検証可能な予測ができなかったのは既に物理学としては失敗なのではないか?
と厳しく解釈する著者のような人もいる...というのが現状のようですね。

批判のツボ

  理論構築に背景に固定された時空の存在を仮定するという
 背景依存 Background-Depence の視点に留まっていることが、
超対称性や余剰次元の導入につながり、混迷を招いた原因なのではないか?

  真の量子重力理論であるためには、その理論から
 時空自体が規定されるものでなければならないが超弦理論はそうではない。

  仮に超弦理論が正しいとしても、
 背景独立 Background-Indepence なもっと根源的な理論が必要なことには代わりが無い。

 他のアプローチに、もっと力を入れるべきだ。

  しかし学問というより、社会学的な問題が現在の研究組織にはあり
 主流以外の新しい試みに対して排他的に機能するため、進歩を阻害してしまっている。
 実際、超弦理論以外のアプローチをとることが若い世代の研究者としては難しくなっている
 この現状をなんとかしたい。

 といった感じでしょうか。
 
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 本の中では様々な理論と人物が紹介されています。
 
 Doubly Special Relativity
 Causal Dynamics Triangulation
 Loop Quantum Gravity

 現在はループ量子重力理論の時空の励起状態として実在の素粒子を記述できないかという試みまで行われている。とのことです。
 
 超弦理論が唯一の統一理論の候補というのはもう昔話で、
 違う理論が出来つつあるならばどんどん育って欲しいです。
 
 何故って見たいから。
 この世界のヒミツをちょっとだけでも。
 
 その他、この本、内容がなかなか豊富で読みきれないので、  後々補足するかもしれません。

 
オマケ
「Smolin の量子重力理論について語り明かしたいわ。」
(2007年フジテレビ月曜夜9時ドラマ「ガリレオ」第4話にこんな台詞があって笑ったひと..いますね。)



20071216
追記)なんと読んで一週間で、翻訳版が出ました(笑)
 邦題をどうするのかチョット気になってましたが(「物理学ヤヴァイ」とかだったらどうしよう...とか)。無難?に「迷走する物理学」ですね。
最近売れている「ワープする宇宙」や、「宇宙のランドスケープ」などと比較するのと、違いが楽しい(かも)。


posted by ketaru at 22:32| Comment(5) | TrackBack(0) | ブックレビュー

2007年03月23日

明け六つ 暮れ六つ 計算 6 7度21分40秒の経緯

 国立天文台の天文情報センター様に問い合わせまして、丁寧な回答をいただきました。どうも、ありがとうございます。

--- 要点 ------------
 寛政暦での明け六つ、暮れ六つの定義は、京都における春秋分の日の出前(または日の入後)二刻半。(1日=100刻、2刻半=36分)
 そのときの視太陽の中心の伏角が7.36度。
 寛政暦書の7度36分の記述が7.36度の意味=60進法で7度21分36秒
 理科年表はもう少し精度よく計算し、かつきりのよい数値
 7度21分40秒を採用。
 計算に大気補正は不要

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なんと!ということは7度21分40秒というのは厳密には寛政暦書の数値では無かったわけですね。(とはいってもその数値の差は4秒=900分の1度ということになりますが)見つからないはずです。

繰り返しになりますが、話の筋としては
 日の出(入り)前(後)二刻半の定義が先、その時刻の太陽の伏角として定義しなおした数値が
 幕府天文方は7.36度と算出(寛政暦書)。国立天文台では精度を上げて数値7度21分40秒とした(理科年表)。

ということのようですね。これで今までいきなり数字が出てきて釈然としなかった部分に筋が通りました。いやはや。

 −つづくー

参考
http://www.nao.ac.jp/koyomi/topics/html/topics1992.html

「日の出・日の入りの計算」 長沢 工 著

読めるかなあ。
posted by ketaru at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ソフトウェア

2007年03月10日

明け六つ 暮れ六つ 計算 5  謎の7度21分40秒 その2

寛政暦集 巻四  出でよ!
kanseireki1.JPG

とりあえずアタリをつけて、この辺かと思われたのですが、読めません。私の学力では無謀だったかな。
読めませんが、読める数値などを見て、無理やり意味を取ってみます。

昔は日の出数刻前星が消える頃。日没後星が見えるようになる頃という話かな。
晋書天文志?では春秋? 昼夜50刻として2刻半 5刻 250分 地平正下一十八度 七度余 赤道 七度三十六分 うーーーん。

しかしこの辺には7度21分40秒なんて書いていないようです。
7度36分がいかにもソレっぽいですが、14分20秒の差は何?視半径にしては微妙に小さい...。京都云々も見えないので、また別な所に記述があるのかなあ。と謎はつづいてしまうのでした.....。教えて!エライ人。

−つづく−

posted by ketaru at 19:28| Comment(2) | TrackBack(0) | ソフトウェア

2007年03月09日

明け六つ 暮れ六つ 計算 4  謎の7度21分40秒

さて、ここまでやって釈然としないのはいきなり与えられた謎の数値7度21分40秒です。
 今、自分が知っていることといえば最初にその数値にギョッとした大江戸生活体験事情の記述、「寛政暦では、太陽の中心が地平線の下7度21分40秒にある時とはっきり決めてある。」(時刻が生み出すエネルギー)というのと暦と時刻の事典には「寛政暦では京において7度21分40秒」というような記述があります。(ん?浅草の天文台ではないのね。)

これはひょっとして寛政暦とか言うものの原典を見ないとわからんのかなあ。ああ、古典漢文をちゃんとやっておけばよかったと思う今日この頃なのでした。

                       つづく

posted by ketaru at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | ソフトウェア